朝のラストピース

FUTSアドベントカレンダー

企画22作目🎄

 

21作目はPiが先に目を覚ましたパターンだったので今回はMorkの番。

 

 

 

 

首筋のあたりが少しくすぐったくて、でもさすがに瞼は重くてゆるゆるとMorkは目を開ける。

するとそこには自分の胸に頬を寄せ眠るPiの姿。

先程の感触の正体はPiの髪。

 

きっとかなり疲れさせてしまったはずなので、起こさないようにそっと髪を手で梳る。

今はとてもさらさらとしたそれが、昨夜から明け方前までは次第に汗で濡れていって、その過程が体中を駆け巡る。

思わずMorkの中に官能の残り火が勢いづきそうになり、さすがにまずいとPiを己の体から離そうとしたが、眠ったままのはずのPiがむずかるように頭を微かに左右に振り

「Mork…」

と幾分鼻にかかった甘えた声で自分の名前を呼ぶものだから進退窮まりそうに、、、

なったところで

Piが思いの外素早く目を開けた。

ただその眼差しは何とも気怠げで嫌でも夜の続きの色香が溢れていて、Morkは視線を動かすことができない。

 

「もう起きるのか?」 

眼差しと同じくらい物憂げな声音でPiが尋ねる。

「いや、喉が乾いたから水でも飲もうかと」

「ふうん、でも何か忘れてないか?」

少しだけ不服そうにPiが問いかけてくる。

「え?」

虚を突かれ、他の誰も知らないであろうMorkの間抜けな顔を見たPiは嬉しそうに笑うと、ベッドの中で寝たまま伸び上がり

「メリークリスマスだよ、クリスマスの朝なんだから」

と笑いながらMorkの長めの前髪をかき分けその額にキスをした。

 

今年も完璧なプランを遂行したMorkではあったが、一番大事なオーナメントを飾るのはやはりPiのようだ。

 

幸い弟のMeenは恋人や友人たちと昨夜遅くまでパーティに興じていたようなので、まだ帰ってこないだろう。

 

だからいつも肝心なときにパズルの最後のピースを持ってきてくれる天使をもう少しこの腕に閉じ込めておけるはずだ。

 

「ああ、そうだな、メリークリスマス、Pi」

Morkのお返しの挨拶に満足したPiはごそごそ動いてその頭を恋人の胸に戻した。